2022.4.30
パリの美術館巡り
こんにちは、坂本澄子です。
GWが始まりましたね。
3年ぶりの制限なし大型連休で、空の便も久しぶりの賑わい。客室乗務員さんもかなりの数の方が仕事に戻られたとニュースで見て、嬉しく思いました。
ウィズコロナが定着して、日本の持つ勢いが早く取り戻せたらといいなあと思いました。
私も先日久しぶりの海外渡航。
展示会メインの渡航のため観光はあまりできませんでしたが、美術館で大好きな作品と再会。
至福の時間を思い出しながら、今週のブログを書かせていただきます。
3年前に主な美術館はかなり時間をかけて回りました。
ルーブル(ご存知、美の殿堂)、オルセー(印象派、後期印象派〜第一次世界大戦まで)、オランジェリー(モネの睡蓮の大作のために作られた)、マルモッタンモネ(モネの作品を多く所蔵、印象派の名前の由来となった『印象ー日の出』もここにあります)、ルイヴィトン(所蔵作品はモダンアートですが、3年前は企画展として印象派展をやっていました)、ピカソ美術館など。
でもオルセーはもう一度ゆっくり見たい!
お目当はゴッホとアンリ・ルソーの『蛇使いの女』です。
きっかけは昨年12月に上野・東京都美術館で見た「ゴッホ展」。
ゴッホはその短い生涯にも作風が大きく変わっており、オランダ時代はモノトーンの暗めの作品→パリに来て色使いが一気に変わり→アルルに行ってあの独特の筆使いへと進化しています。
絵の具を盛り上げたゴッホならではの描き方は写真ではなかなか再現できず、現物を目の前にしてこそだと思ったのです。
オルセーの元駅舎のあの建物(トップ画像)に入っただけでアドレナリン大量放出状態で、5階まで一気に階段を登りゴッホ展示室へ。
前回は見ることのできなかった『星降る夜』の前では身体が震えました。
『星降る夜』もそうですが、どうも私は青とオレンジの補色が使われたゴッホの絵の強さに惹かれるみたいです。
隣のゴーギャン、その次のルドンまで、色使いの美しい作家たちの展示室が続きます。
3年ぶりに来てみて思ったのは、作家ごとに展示室が分かれて見やすくなっていること。
それによって同じ作家の作風の変化を追うことができ、「この画家はこんな絵も描いていたのか」という新鮮な驚きがありました。
2階には展示室が増設されており、なんとそこには私の好きなアンリ・ルソーのお部屋が!
ゴッホと言えば、もう一つ必見は『タンギー爺さん』
ということで、ロダン美術館にも行きました。
なぜゴッホなのにロダン?
ロダンは自身も絵をコレクションをしており、そこにルノアールやゴッホがあるのです。
タンギー爺さんはパリの画材店の店主で、ゴッホのように貧しい画家を支えた人。
その温かみのある人物の背景には、当時流行した浮世絵などがぎっしりと描かれ、ジャポニズム満載。
この作品、写真で見て知ってはいましたが、実物は想像以上に大きく、絵から発せられるオーラにしばし釘付けでした。
『タンギー爺さん』は原田マハさんの小説『たゆたえども沈まず』で知りました。
ゴッホを主人公としたこの小説もオススメです。
海外の美術館に行っていつも思うのは、至近距離で、周りに誰もいなければ名画を独り占めで鑑賞できることのありがたさ。
実際の作品から伝わる熱量をしっかりいただきました。