2023.6.24
《お便りNo.25》 雨の音を聴きながら
こんにちは、坂本澄子です。
2年と1ヶ月目のお便りをお届けします。
先日、広島の実家に3年ぶりに帰りました。
母の植えた紫陽花が梅雨空の下に、今年も青紫の花を咲かせていました。
この紫陽花です。
東京のマンション生活では味わえないのが、庭木や瓦に降る雨の音。
万物を包み込むような優しさを感じて、心が落ち着きます。
「帰る場所があってよかった」と思った1週間でした。
《ユーミンのコンサート 行く派 vs 行かない派》
ユーミンの50周年記念コンサート「THE JOURNY」に行ってきました。
大学生の時以来ですから、本当に久し振りです。
今読んでくださっている方の中にも、きっとファンはたくさんいらっしゃるでしょう。
出会いは高校生の時、クラスメートがノートの端に書いたこのフレーズでした。
「あなたと来なくたってわたしはもとから この海が好き」(松任谷由実『潮風にちぎれて』)
たったこれだけで情景が目の前に浮かびました。
絵画的な表現が多いのもユーミンの曲の特徴ですよね。
「最後の春に見た夕陽はうろこ雲照らしながらボンネットに消えてった」(松任谷由実『リフレインが叫んでる』
ウェットな表現ではなく、情景的な美しさの中にこそ人の感情が際立つ、そんな歌詞やメロディに惹かれます。
青春真っ只中だった頃を重ねる私たちの世代には、「あの時が宝だったと思うから、今は観に行けない」という人も。
その気持ち、とてもよくわかります。
それも一つの美学だと思いますが、私は今回行ってよかったと思いました。
高い声が少し出にくいところはあったものの、2時間ほぼぶっ通しで歌い、エンターテイメントなステージは相変わらず。
でも、何より心を揺さぶられたのは、二度目のアンコールの時でした。
ご自身の言葉を丁寧に選びながら語るその姿から、本当にファンを大切にされていると感じたのです。
それは若い頃よりもずっと心に響きました。
「私もまだ頑張れる」
たくさんの勇気をもらったステージでした。
《きっと根っこは同じ》
来週銀座で開催される「イストワール小品展」に、いつもとちょっと違う作品を出します。
色で言えば、青でなく、赤と金。
モチーフは人物と蓮の三部作です。
作品に金箔を使ったのは初めて。
正方形の金箔を対角線に掴んで、息を止めてキャンバスの上にフワッと。
なかなか上手く貼ることができず手こずりましたが、色々と工夫して、日本画のような金箔の感じを出すことができました。
人を描こうと思ったのは、やはり人物ドローイングを学んだことが大きかったです。
「人間って何だろう」「生きるって何だろう」
ちょっと大袈裟ですが、そんなことを考えました。
中央に大きな月を描いたのは、「大きな宇宙と小さな人間」の対比と、「生かされていることへの感謝」「生命への讃歌」といった私のいつものテーマです。
多少表現は違っても、私の中から出てきたもの。根底にあるものは同じです。
この三部作、実物を前にするとまた印象が変わると思います。
東京近郊にお住まいの方、ぜひ会場にも足を運んでいただけると嬉しいです。
6/29(木)と7/1(土)は在廊しています。
詳しいご案内はコチラをどうぞ!
《2週間、絵があなたのお家に行きます》
「遠くて観に行けないよ〜」という方、絵の方からあなたのお家に行きます。
よかったら、目の前で作品と対話してみてください。
ご自身の何かに気づかれるかも知れません。
詳しくはコチラをどうぞ。(先月号でのご案内から、よりご利用しやすくなりました)
今月号も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
応援メッセージ、お待ちしています!!!
澄子さん、
お元気そうで何よりです!
絵本をぜひ一冊送ってください!
いつも澄子さんの作品に癒されています。
美知世さん、
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
小さな絵本もご予約ありがとうございます。
現在制作中のため、3週間ほどお時間くださいね。準備ができたらご連絡させていただきます。
暑くなりましたので、お身体に気をつけて頑張ってくださいね。
『我思う、故に我在り』、すごいタイトルですね。高校時代によくわからなかったんですが、(今も)はまっていた言葉です。
金箔も画期的。金色の絵の具を塗るよりも絵に重みが出るのかなあ…
人物がしなやかに感じました。
色彩とかこれまでと180度違っていて、一瞬戸惑いましたが、「根底にあるものは同じ」という部分を読んで、「そうですよね」、ほっとしました。
色んな事にチャレンジしてください。ユーミンのように!
上原さん
コメントありがとうございます。
色も技術的にも初めての挑戦でしたが、今までの延長線とは違うものを描くことで、殻を破りたいと思いました。
ユーミンのようにいくつになっても輝いていたいですね。
展示会もよかったら見に来てくださいね。
※コメントいただいたら必ず返信しますので、しばらく経ってからこのページを再度ご確認ください。