
2025.3.15
《お便りNo.44》パリのお土産話
こんにちは、坂本澄子です。
すっかり春めいてきましたが、いかがお過ごしですか。
桜の季節ももうすぐですね。
今日は、先日「ル・サロン2025(フランス芸術家協会展)」に合わせて行ってきたパリのお話を中心にお届けします。
<グラン・パレはすごかった>
前回からまだ4ヶ月しか経っていませんでしたが、このパリ行きをとても楽しみにしていました。
と言うのも、改修工事を終えたグラン・パレに、会場が6年ぶりに戻ってきたのです。
私にとっては初めてのグラン・パレ。
1900年のパリ万博の会場として建設され、以来、様々な著名な展示の場として活躍してきました。
会場に一歩足を踏み入れてまず驚いたのが、若草色の優美な曲線で組み上げられた大空間。
ガラス張りの天井から昼間は日差しが降り注ぎ、夜は照明に照らされた作品が無数の星々のように感じられました。


2021年から入選を続けたにもかかわらず昨年は落選の憂き目に遭っていただけに、星々の片隅に飾ってもらえたことが本当に嬉しくて、毎日広い会場を歩き回っていました。
おかげで連日15,000歩を達成。
そして3日目、私の出品作品『森に帰りたい』に「Mention – 特選」の賞札が付いているではありませんか。
思わず飛び上がりそうになりました。

昨秋のサロン・ドートンヌもそうでしたが、ル・サロンも日本からの出品者がざっと1割くらいいます。
それだけ日本人にとっても憧れのサロンなんですね。
そんな中、日本人の受賞比率は全体から見てもかなり高く、緻密な表現が評価されているようでした。
同じ日本人として誇らしく、これを励みに来年は更に良い作品を出せるよう頑張ろうと思いました。
もう一つ嬉しかったことは、サロン・ドートンヌで知り合ったアーティストたちと再会できたこと。
これからも良い関係を育んでいけたらと思っています。
<迫り来る絶景 – モン・サン・ミッシェル>
パリに行くと会場との往復+美術館/ギャラリー巡りに終始することが多いのですが、今回はバスツアーに参加し、ノルマンディーの世界遺産、モン・サン・ミッシェルまで足を伸ばしてきました。
パリから片道4時間半。車窓を眺めていると広々とした平野が続き、フランスの国土の広さが感じられます。
フランス語で「大天使ミカエルの聖なる山」という意味のモン・サン・ミッシェル、708年に夢のお告げによって、海に浮かぶ岩山に小さな礼拝堂が建てられたのが始まり。
11-13世紀にかけてゴシック様式の僧院が建てられ、80mの岩山に塔の先端まで80mの大聖堂がそびえ立つ現在の姿になりました。

古くから巡礼地として知られ、今も古い建物がホテル、土産物屋として残り、島の美しい景観を保っています。

現在も修道士5名、修道女7名が島の修道院に暮らし、大聖堂での礼拝が守られているそうですが、公開されているエリアは人の生活の気配が感じられないほど、何もなくがらんとしています。

大聖堂は三層構造、付属する建物へ続く通路はまるで迷路のよう。
薄暗い曲がった廊下を進むと思いがけないところに階段があったりして、私的にはテンション上がりまくりです(笑)

大聖堂には土産物屋が軒を連ねるメインストリートと、海側の岸壁通りの2つの行き方があります。
よく見ると、建物と建物の狭い隙間に造られた細い階段。
こんな枝道がいくつもあり、これがまた迷路のようです。

でも、どこから登ってもちゃんと大聖堂に行けるようになっていて、私のような方向音痴でも大丈夫。
ちなみに島の裏側には何もありません。
帰りは海側の岸壁コースを通りましたが、どちらもそれぞれに趣があります。



こんな感じで心惹かれる風景にたくさん出会いました。
11月の個展に向けてそのいくつかを絵にできたらと考えています。
<印象に残った一枚>
パリを訪れると、毎回何かしら心に沁みる風景との出会いがあり、思わずホッとしたり、勇気をもらったりします。
今回の一番はオルセー美術館でのワンショットでした。

大好きなアンリ・ルソーの絵を探して歩き回っていた時のこと。
ルソーの作品は点数が少ないためか、行くたびに展示場所が変わっています。
1年前はルソーだけの展示室がありましたが、今回はどこを探しても見当たらない。
受付で教えてもらってようやく辿り着いたのが、普段あまり行かない2階の調度品の展示室。
『蛇遣いの女』はその奥にひっそりと飾られていました。
ルソー晩年のジャングルシリーズで、ニューヨーク近代美術館(MOMA)が所有する『夢』と並ぶ代表作です。
デフォルメされた葉っぱの形、色使い、明暗が絶妙な作品に加えて、周囲の調度品の数々までがジャングルの一部のように感じられ、こんな展示もいいなと思った一枚です。
子どもたちが去った後はほぼ独占状態で、一時間も見飽きずそこにいました。
帰国してすぐにルソーへのオマージュ的な作品を描き始めました。
いつかご覧いただきたいと思います。
<4月はニューヨーク>
ニューヨーク、SOHOのGallery Maxの公募で優秀賞をいただき、4月にグループ展に参加することになりました。
パリもすごいですが、世界のアートシーンを牽引していると言う意味ではやはりNY。
パリでの活動を極める方が先決ではないか…など迷いもありましたが、今行かなければきっとこれからも行かないなと感じて、初遠征を決意しました。
会社員時代に会議で何度か行きましたが、作品を持って現地に行くのとは、同じNYでも見える風景が違うはずです。
10日間と日程的にも余裕があるので、ギャラリー巡りをして、最先端のアートを見ていろんなものを吸収してきたいと思います。
そしてもし、私の目指しているものに近いと思えるギャラリーに巡り会えたら積極的に働きかけてみたいと、作品に対する思いや過去作品を掲載した冊子を作りました。
良い出会いを引き寄せられるといいなと思っています。
応援してくださいね。
今月も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
先日健康診断で引っかかり、精密検査を受けました。
幸い結果は異常なしでしたが、健康の大切さありがたさを感じました。
今年は突っ走る一年になりそうですが、身体が一番の資本。
お互い健康には気をつけましょうね。
では、また来月。
拝読して元気を貰いました❗
引き続き頑張って下さい!☺️
森幸世さま
ありがとうございます!
そう言っていただけて嬉しいです。
モンサンミッシェルは荘厳な雰囲気が漂っていますね。 フランスならフレンチカンカンの踊りとかで、ロートレックが毎日通っていた居酒屋のフランス人の 話しぶりや 雰囲気や オシャレかげんもぜひ見てみたいですね。 僕も最近白日会に F20の絵を2枚 出展して なんと落選してしまいました。 F100号以下の規定で F20では 役不足と思われたのでしょうね。 また違う公募展にも挑戦してみたいと思います。 ニューヨークの画廊で 坂本様の絵が NYの街をにぎわせることを期待しています。
高須章さま
白日会、残念でしたね。写実中心(写真のような作品も多くありますね)の会なので、作風が異なっただけかも知れませんよ。
なにしろ観光客が多い街なので、私が見分けられていないだけかも知れませんが、パリの人たちのファッションがとびきりオシャレという感じでもないです。
とにかくおしゃべりが好きで、カフェで見ているとずっと話してますね。日本人の沈黙は金とはえらい違いです笑
ニューヨークでも来場者との会話を楽しみたいと思います。
拝読させていただきました。国際的なサロンにて「森に帰りたい…特選」おめでとうございます。見知らぬパリの便りを楽しく拝見させていただきました。来年もまた行くのでしょう。ご活躍を祈念いたします。
渡邉敏行さま
ありがとうございます。
ル・サロンにはこれからも出し続けたいと思っています。続けていると向こうに知り合いができるのが嬉しいですね。また会えたねって感じで。
日本では他の公募展に出すことは控える傾向にありますが、その点フランスはかなり自由な感じがします。
都会に出てきた熊さん
おめでとうございます㊗️
そしてNYにもチャレンジ….澄子さんの前向きに元気をもらってます
私も検診に引っかかりましたが大丈夫でした。
生きてたらあれこれいろんなことありますよね
だからこそ前を向いてチャレンジ続ける澄子さんに憧れます
楽しみです
伊藤恭子さま
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
恭子さんも健診引っかかったのですね。お互い何もなくてよかったです。
年齢を重ねると色々ありますが、気持ちは変わらず、チャレンジし続けて、変わっていくことも含めて、自分自身を楽しみたいと思います。
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