2021.11.27
《12月のお便り》聖夜を数えながら
こんにちは、坂本澄子です。
一年早いもので、あっという間の師走です。
今年は久し振りにアドベント・カレンダーを注文しました。
12月1日からクリスマスまで毎日、日付の数字が書かれた扉を開くと、そこに秘密の絵が隠されているんです。
そして24日には一番の仕掛けが。
アドベント・カレンダーはドイツ生まれ。
私のドイツ好きは中学生の時に萩尾望都の世界に魅了されたことに始まり、それが元で外大でドイツ語を専攻したほど。
残念ながら、その後ドイツ語を使う機会はなく、せっかく覚えた言葉も忘れてしまいましたが、たまにニュースでドイツ語が聞こえてくると懐かしくなります。
この前アドベント・カレンダーを掛けたのはいつだったかしらと思い出すと、たぶん20数年前。
クリスマスに娘と知人宅にお邪魔すると、こんな大きなクマさんが迎えてくれました。
たいへんなこともあった時期でしたが、その分心が研ぎ澄まされ、今思うと心の豊かさという意味でとても満たされていたと思います。
澄み渡る夜空に輝く星々、青々と茂る木々。
大きな自然の営みを素直に美しいと思え、それに比べると人間はちっぽけな存在。だから、こんな私でも大丈夫と元気をもらっていました。
その頃の記憶が、その後絵を描く源泉となったように思います。
さて、先月「号外」としてご協力をお願いした「ル・サロン入会審査のための6作品選び」、15名の方からとても丁寧なコメントをいただきました。
どの言葉も心に染み渡るようでとても嬉しくて、絵を描いていてよかったと思いました。
今回コメントをいただいたことで、私の作品には3つの特徴があることを再認識できました。
そこで、これらを基準にして、これまでの代表作と呼べる作品を選ぶことにしました。
まず、色使いについては「ブルーが特徴的」「澄んだ綺麗な色使い」という言葉を多くいただきました。
青、緑系は本当に好きで、持っている絵の具の種類、減っていく速さが他の色とは明らかに違います。
包み込まれるような大きさや広がりがあり、心が透明になっていく感じがするからでしょうか。
でも、ピンクやビタミンカラーも好きなんですよ。
以前の携帯は色で選んでいましたが、オレンジ、黄緑が私の定番カラーでした。
青を基調にしながら、その時々で暖色系の入る割合が変わるみたいです。
心のお天気が色使いに出るのは、いいのか悪いのか(笑)
2つめの特徴は、見たものをそのまま描くのではなく、別の見方を重ね合せること。
これは、「目の前の日常」と「空想の非日常」を行ったり来たりする私の変な癖から来ています。
あるものを見た時に、そこから妄想が始まり別の見方が重なることがあるんです。
例えば、『都会の桃源郷』は一枚の写真がきっかけでした。
通称「地下宮殿」:大雨の時に溢れ出す水が集まる放水路の途中に、水の勢いを調節するために18mもの柱が立ち並ぶ巨大水槽があります。
ここに昔読んだO.ヘンリーの短編『桃源郷の短期滞在客』の一文が重なりました。
「灼熱の日中は、鱒が気に入った池の清澄な憩いの場所にじっとひそんでいるように、ロータスの陰多き要塞に引きこもっているものなのである」
そういえば、子供の頃の通信簿に「授業中ぼんやりしている」と書かれました(汗)
どうも「行ったり来たり」癖はその頃から始まっていたようです。
3つめは「和」のエッセンス。
絵と出会ったのは、週末に娘と一緒にできると、絵画教室に通い始めたことがきっかけでした。
駅前のポスターでたまたま見つけた教室でしたが、先生は日本画家。
私自身、日本画が好きだったこともあり、顔彩を使って南天や和皿などを描いていました。
それが今も時々顔を出します。
『遠い夏の思い出』は顕著な例ですが、他の作品にも日本的なものの美しさを無意識のうちに織り込んでいます。
上記4点に今回一番人気だった『月の贈り物』と、「重なりあう風景」が一番よく出ているとコメントいただいた『生命の樹』を加えて6点としました。
「ル・サロン」の会員になるのは入選するよりも遥かに狭き門と言われましたが、チャレンジしないと何も始まりません。
一歩踏み出す後押しをしてくださったことに、心から感謝申し上げます。
結果通知は来年5月。またご報告させていただきますね。
来週はもう12月。家族へのプレゼント、今年は何にしようかなと考えています。
いいものがあったらぜひ教えてくださいね。
今年一年のご自身へのご褒美、親しい方へのプレゼントに小さな絵はいかがでしょう。
これまで描きためた0号サイズの絵がありますので、よろしければこちらからでご覧ください。
今月もコメントお待ちしています。
いただいたコメントには必ず返信しますので、会員様限定ブログのトップページをブックマークしていただき、時間を置いてまたご覧ください。
それではまた来月。
Advent いやはやビックリ。私が先日読んでいたAn Appetite for Violetsという小説で初めて知ったことでした。私はキリスト教信者でもないのですが、すごく新鮮に記憶していたところでした。絵画のことではなく的はずれではありましたが、うれしくなって思わず書かせていただきました。
土肥さま
不思議な偶然ですね。
“An Appetite for Violets”、面白そうな小説ですね。ミステリーでしょうか。
サスペンスに加えて イギリスからイタリアへの旅行記と料理の記録、それを日記形式に書いた小説です。日記の日付の記載の方法が例えば
Being Stir-up Sunday to Advent, 1772 などと書いてあるので、全く何のことかわからず辞書を引きまくって何度読むのをやめようかと思いながら読んだので記憶に強く残っています。
それをいとも簡単に アドベントカレンダー と書かれていたので、ものすごく驚きましたし自分の無知を恥じましたが、同時にその本の感動が蘇ってとても嬉しく思いました。
そんな素敵な思い出があったのですね。
苦労された分、読み終えた後の達成感はさぞ大きかったことでしょう。
アドベントカレンダー、昨日から小さな扉をめくり始めました。
これから毎朝のちょっとした楽しみになりそうです。
アドベントカレンダー もうすぐですね 到達したら 見せていただけませんでしょうか
※コメントいただいたら必ず返信しますので、しばらく経ってからこのページを再度ご確認ください。