こんにちは、坂本澄子です。

夏本番を迎えましたね。毎日暑くて、ふーふー言ってます。

一昨日、前売り券を買っていた「デ・キリコ展」を観てきました。

キリコと言えば、シュールリアリズム絵画の草分け的存在。

90歳まで長生きし、しかも亡くなる直前まで描き続けたという羨ましい一生。

私もそうなれたらいいな。

ちなみにこの前売り券、ショップで使える500円のクーポン付き。

つい気が大きくなって、関係ないものまで色々買ってしまいました（汗）

　

《福岡・広島の旅》

先月、福岡と広島に行ってきました。

福岡のお目当ては、写真家・清水貴子さんの写真展『一蓮托笑 ともに、笑おう』。

５０人のモデルの一人として参加させていただきました。

30人の方とは交流会で直接お会いすることができ、お話しているだけで元気をいただきました。

公式ホームページで50人の写真と300字ストーリーが見れますので、最近元気ないという方、ぜひアクセスしてみてください。

　

実はここのところ忙しくて、出かけるまで、一週間空けられるかなという感じだったのです。

でも、思い切って出かけて大正解でした。

張り詰めていた神経が緩んだとでもいうのでしょうか。

何を見てもクリアで新鮮な驚きを持って、ぐんぐん内に吸収されるのです。

疲れたままの私だったら通り過ぎてしまったかも知れない。

そんな今回の旅の３つの発見をご紹介します。

　

１。福岡を拠点に活動するアーティストのKYNE（キネ）さん

写真展で訪れた福岡市美術館で開催中の企画展『ADAPTATION – KYNE』

都会的な現代女性を描いたドローイング。

とてもシンプルな作品なのに、ずっと見ていたくなるような。

平面的な描き方なのに、しっかりと存在感を感じる。

あまり表情がないのに、目が離せない。

不思議な作品に引き込まれ、気がついたら会場を２周していました。

　

２。野見山暁治さんのエッセイ『四百字のデッサン』

野見山さんも福岡市美術館のコレクション展『野見山暁治のしごと』で知った画家。

抽象画と文章が対で展示されており、特に文章にグイグイ引き込まれました。

途中、野見山さんの著書のコーナーがあり、その一冊『四百字のデッサン』を手に取ると、パリ留学中の交友関係を綴ったエッセイに、小説のような美しい情景が思い浮かび、思わずその場でamazonに注文しました。

後から知ったのですが、野見山さんは画家にして名文豪。

このエッセイも日本エッセイスト・クラブ賞受賞の名著でした。

画家だからこその視点、文章表現なのかも知れませんね。

今も毎日少しずつ大事に大事に読んでいます。

　

３。17歳の私

高校時代の友人から、実家を片付けていたら古い手紙がどっさり出てきたと連絡があり、３通ほどもらってきました。

いずれも便箋数枚に渡る長い手紙。

自分のおかれている状況や悩みを（意外に）冷静に分析していて、かなり左脳な子だったのだと、我が事ながら衝撃。

彼女は感情をぶつけ合うというより、リスペクトするタイプの友人でした。

彼女に宛てて手紙を書くことで、自分の内面に向き合い、心のドロドロを浄化していたのかも知れません。

そんな友人がいてくれたことに改めて感謝した出来事でした。

　

《今月の一枚》

『白昼夢』

パリで見た光景を元に描いた２点目の作品です。

いつかパリにアトリエが持てたら…、そんな妄想を絵にしました。

この構図の元となったのが、ブルス・ド・コメルス（安藤忠雄さんの設計で元商品取引所を改装した、現代アートの美術館）のこちらの展示室。

中央部が円筒形の吹き抜けになった建物で、天井窓から柔らかな午後の光が降り注いでいました。

この静かな空間に、２年前に描いた『もう一つの真夏の夜の夢』を置き、蝶が日差しのゆらめきの中に飛び出して行く姿を描きました。

　

《展示会のお知らせ》

「イストワール夏季展」

会期：7/22(月)-27(土) 12:00-19:00（初日は15時開廊、最終日16時終了）

会場：銀座・ミーツギャラリー

イストワールの仲間20人とのグループ展。

パリで着想した２作品『白昼夢』『午前四時』を出品します。

　

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今年も暑い夏になりそう。

どうぞお身体に気をつけて、素敵な夏をお過ごしくださいね。