2021.5.29
月に想いを馳せた夜
こんにちは、坂本澄子です。
スーパームーンの皆既月食、ご覧になれましたか?
数日前からわくわくしていたのですが、残念ながら関東では見られませんでした。
でも、ちょっとステキな時間が過ごせました。
その日は20時前から屋上に上がって待っていました。
厚い雲に覆われているわけではないのですが、どこにも月の姿はありません。
そのうち同じような天文ファンが続々と加わり、みんなで月を待ちました。
やがて、♪シーベーリアからも見えなかったよと♪、ユーミンの『ジャコビニ彗星の日』が頭の中でリフレイン。
そういえば、昔もこんなことがありました。
小学5年の真冬のことです。
皆既月食が見れるというので、家族でひとりだけ起きて、庭に椅子を持ち出し空を見上げました。
真夜中過ぎに少しずつ欠けていく満月。
淡く形が残っているのは地球の影なのだと知り、感動がピークに達した時、
なんと横から張り出してきた雲がすっぽりと月を飲み込んでしまったのです。
がーん。
その後も雲は居座り続け、寒さMAX>感動&期待となり、ひとり観測会はあえなく終了しました。
以来、こんなふうにじっと夜空を見上げることもなく、おとなになり慌ただしい毎日を過ごしてきました。
でも、あの感動は心のどこかに残っていたようで、気がつくと月のある風景を描いています。
あの日、屋上から一緒に夜空を見上げた人たちも、同じような経験があったのかもと想像すると、同じ時間を共有できたことが特別なことのように感じられました。
部屋に戻って、22時頃にふと窓の外を見ると、なんとあれだけ探していた月が、何事もなかったかのようにぽっかりと浮かんでいました。
月食はほぼ終わり、元の丸い姿に近づいています。
薄いヴェールにつつまれた朧月で、いままでに見たどの月よりも美しく感じられました。
秋のオンライン展示会は『月のある風景』を予定しています。
この日見た朧月も、どこかにそっと描かれているかも知れません。
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