2022.2.19
日常にある美(後編)
こんにちは、坂本澄子です。
オリンピックももうすぐ終わりですね。
どの競技も素晴らしかったけど、見ていて一番楽しいのはカーリング。
一進一退の厳しい攻防の中で5人のメンバーがいつも笑顔で、最高のチームワークですね。
さて、今日は私のコレクションをご紹介します。
私は絵が大好き。いいなあと思った絵はつい買ってしまうので、自宅の壁はもう空きがないくらい。
でも、以前は絵は美術館で見るもの、有名な画家の作品=良いアートという固定観念があり、マグリットが好きで複製画を飾ったりしていました。
初めて本物の絵を購入したのは、今もご指導をいただいている明輪勇作先生の作品で、15年ほど前のことです。
展示会でこの絵を一目見たとき、懐かしい誰かに会ったような感じがしました。
帰宅してからもこの絵のことが心に刺さったまま抜けなくて、数日後にドキドキしながら「先生のあの絵は購入することができるのでしょうか」とメールを出したことを今もよく覚えています。
その時の心の動きを分析すると、14歳の頃の自分自身の記憶とこの作品の持つ世界観が結びついたことで、私にとって特別な一枚になったのだと思い至りました。
その特別な絵と一緒に暮らすようになると、見るたびにそれまで気がつかなかった新しい発見があったり、描き手がどんな想いで筆を進めていたのかと想像してみたり、本物の絵の持つ力と触れ合う幸せと、それが自分だけのものになったことの喜びを感じました。
その後、インドネシアのバリ島に旅行し、現地の絵画と出会いました。
バリ島で購入した最初の作品が冒頭の写真の左の絵です。
当時勤めていた会社を辞めて、絵の世界へ飛び込みたいと考えていた時期で、最初の一歩となるバリ絵画を自分でもきちんと学ぼうと思いました。
そこで、この絵を描いたエベンさんを訪ねて弟子入りし、模写すること1週間。
言葉がほとんど通じない中、やって見せてもらいそれを真似するというやり方に根気強くおつきあい下さり、新しい世界へ一歩踏み出す力をいただきました。
冒頭の右の大きな絵はその時に記念に購入したものです。
最近「アンカリング・ツール」という言葉を知りました。
エネルギーをもらった時にその感じを心に留めて置く=アンカー(錨を下ろす)する役割があるものだそうです。
この絵はまさに私にとって、最初の気持ちに立ち返らせてくれるアンカリング・ツールです。
こんなふうに、出会った瞬間に心が通い合うように感じて「一緒に暮らしてみましょうか」と我が家にやってきた絵たちは、いつまでも私の個人的な体験と深く結びついて、毎日の生活の中で息づいています。
3月18〜23日@大崎にて『夢のイストワール展』が開催されます。
この展示会は私の好きな作家さんが多く出品されていて、うち5人の方の作品を実際に持っています。
こんな素敵な展示会にいつか自分も参加したいと思っていましたが、今年その願いが叶い、5点出品させていただくことになりました。
64人の作家たちの内宇宙。あなただけの一枚に出会えるかも知れません。
ぜひご来場ください。詳しくはこちらをどうぞ。