2023.9.2
この構図をヒントに
こんにちは、坂本澄子です。
9月になり、朝晩だけはようやく秋の気配を感じるようになりましたね。
昼間の蒸し暑さは相変わらずですが…。
あなたのお住まいの町はいかがですか?
昨日、絵描きの大先輩のMさんから教えていただいた上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」を読み終え、このシリーズにハマりそうな雰囲気です。
この世とあの世(死後の世界ではなく、もう一つの世界)が共存し、特別な人にだけダブルイメージで両方の世界が見える、ファンタジー小説。
私の描く「重なりあう風景」とも似たところがあり、とても興味深く読みました。
展開が早く、登場人物のキャラクターも魅力的で、物語としても引き込まれました。
「守り人」シリーズだけで10巻以上あり、当分夜更かししてしまいそうです。
絵を描く上でもインスピレーションをもらえるといいなあ(笑)
私は実際にある風景をそのまま描くことはあまりないので、最初の構想段階でいつも悩みます。
何ヶ月もかかることも少なくありません。
ところが、今年は作品を発表させていただく機会が多かったため、11月に出品する100号に着手できていませんでした。
8月終わりになっても手付かず、アイデアすらない状態は初めて(汗)
お尻に火がついたとはまさにこのことです。
ただ一つ決めていたことは、見上げる構図で描くこと。
空を見上げ、その先にある宇宙を感じられる作品にしたいと思っていたのです。
8月は「日本・フランス現代美術世界展」で、国立新美術館に毎日のように通っていました。
建築家・黒川紀章さん設計の、3階まで吹き抜けた流れるようなフォルムの建物。
入り口を入ると最初に目に飛び込んでくるこの光景が、私は好きです。
まさに見上げる構図!
そこで、これを構想を練るためのツールとして使わせていただ来ました。
この形を画用紙に描いて、その上にイメージしていた登場人物たちをはめ込みながら画面構成していったのです。
主人公はバオバブの木。
バオバブは『星の王子さま』にも出てくる、徳利のような形をした不思議な木です。
樹齢1000年以上のものもある長寿の木で、直径は植物最大、高さは30mにも。
こうしてみると、アンテナを広げて宇宙と交信しているように見えませんか?
2日後、テレビを観ていて、特徴的なカップの形をフェイスポット(顔の形のプランター)にすることを思いつきました。
毎日必死で描いて、1週間が経ちました。
今も左半分の構図には少し面影が残っています。
この後、どうなっていくか。
答えは11月に現代童画展(2023/11/10-16@上野・東京都美術館)に見に来てくださいね。