2021.5.1
台日藝術博覧会で受賞
こんにちは、坂本澄子です。
3月に台北で行われた『台日藝術博覧会2021』に出展していた『南の海の妖精たち』が我が家に戻ってきました。
梱包を解くと、水の青さと共に元気な3人娘が飛び出してきて、
おもわず「おかえり〜」
さらにびっくりのニュースが。
なんとこの作品が「彩華賞」に選ばれたのです。
初めて台湾を訪れたときから、あの故宮博物館を持つ人々の文化、美意識、そして作品の超絶技法に憧れと尊敬の気持ちをいだいていました。
この喜びは言葉に表せないほど。
また、受賞にあたって、実行委員会の張及文先生(元・国立台北藝術大学美術学部長)から「半透明の光、海中のゆらぎに独自性のある象徴主義的絵画」と過分なお言葉をいただき、嬉しすぎて眠れませんでした(笑
実はこの作品は、水族館の展示を見て着想しました。
大波にダイナミックに揺れる海藻が形を変えるうちに、まるで人魚が戯れているように見えたのが始まり。
2019年に100号(162x130cm)、翌2020年に8号(46x38cm)と2点描いています。
構図は同じですが、光の描き方を変えました。
最初の作品では、薄暗い海にまっすぐに差し込む強い光を描きました。
海藻の揺らぎを表現したくて、ラウル・デュフィ(鮮やかな色彩と軽快な筆致が特徴のフランスの画家)に倣って、動きの残像を線で描いたり、
海底の向こうにぼんやりと見える街並みを隠し絵的に描いたりと、大きな作品ならではの冒険もしています。
今回出展した2020年版では、光を柔らかく拡散させ、海中をより明るく仕上げています。
宝石のようなキラキラとした透明感を表現したかったので、張先生のコメントはとても嬉しかったです。
絵というカタチあるものにする過程はいつも苦しみの連続ですが、水族館での具体的なイメージがあった分、どちらの作品も色彩や遊びゴコロに意識を集中し、楽しみながら描けた気がします。
若い方々を中心に多くの来場者で賑った様子が写真からも伝わってきて、延期を重ねての開催でしたが、台日交流に一役買えたことも喜びでした。
来年はぜひ現地で参加できればと、今から思いを膨らませています。