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重なり合う風景

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《お便りNo.15》人物に向き合う時間

こんにちは、坂本澄子です。

先日の「日本・フランス現代美術世界展」、連日の猛暑にも関わらず、多くの方に足を運んでいただき、とても嬉しく思っています。

久し振りに着物に袖を通して、お客様をお迎えしました。

着物っていいですね。背筋がシャキッと伸びる気がします。

 今日もいつものように熱海に向かう車でこのお便りを書いています。

夏休み最後の週末、子どもたちは宿題に追われて、さすがに高速も空いているだろうと思ったのは甘かった。早くも渋滞に巻き込まれています(汗)

 東京藝大の北郷先生のご指導のもと4月から始まった熱海芸大塾のドローイングコース。

他の7名のメンバーと共に、月1回人物を描いています。

5月 モデルさんは現代舞踊家でした。

遠くは広島から夜行バスで参加している高校の美術の先生も。もう真剣そのものです。

そんな環境に身を置かせてもらえて幸せです。

 北郷先生が最初に言われたのは、人間の体の成り立ち。

動物は頭に対して背骨が横に伸びているのに対して、人間は両耳を結んだ線の中心からまっすぐ下に伸びている。

だから、脳が大きく発達することができたのだと。

毎回モデルさんは変わりますが、「首が真っ直ぐな人を」とお願いしてくださっているそうです。

6月 「背骨が感じられない」とアドアイス

内面的なものも表現できるよう、休憩時間には出来るだけモデルさんと話をするようにと言われています。

美術系のモデルが本業の人は少数で、多くは別のお仕事をしながらの方ですが、モデルという仕事に誇りを持っておられるのが感じられると、こちらも気持ちが入ります。

 最初はクロッキー。5分で1ポーズを4回。それを2セットで合計8ポーズを描きます。

その中からどのポーズにするかを決めて、新聞紙見開きサイズの画用紙で本画制作。

私はパステルを使っていますが、水彩で描いてもそれは自由。

ただ、80分で描き上げなくてはならないので、めちゃめちゃ集中力を要します。

7月 「線の強弱が出せるようになったね」と

 最初は形をとらえるだけで精一杯でしたが、少しずついろんなことを意識しながら描けるようになりました。

1年のコースが終わる頃には、「自分の哲学が組み立てられるように」が目標。

まだ先は長いです。

9月に中間発表会があり、今日これから描く作品を含めた中から1点を自分で選び、熱海山口美術館のアトリエに展示されます。

この3点の中ではどれが好きですか?

 そうそう、先週のブログでクイズを出題させていただきました。

絵の隅っこにこっそり描いた迷脇役を探してくださいね。

既に何名もの方から解答を送っていただいていますが、まだご覧になっていない方も気分転換にいかがですか? 問題はこちらです。

全問正解されると、あのオリジナルグッズをお送りしますので、ぜひご応募ください。

 日差しが部屋の中まで届くようになり、秋の気配を感じます。

季節の変わり目、どうかくれぐれもご自愛ください。

今月もコメントお待ちしています!

  • mico より:

    2番目の絵が好きです。素人目ながら、骨格、筋肉が見えてくる気がするからです。モデルさんが何に気を付けて暮らしているのか、ご自身への体型への想いが見えてきて、絵を拝見して想像が広がりました。

    モデルさんと会話することが推奨されるのですね。見えているもの以外のことは絵の描写にとって雑念となってしまうのかと、逆の想像をしていました。

    刺激的な、素敵な時間を過ごしておられますね。これからも学ばれていること、楽しんでおられることの投稿を楽しみにしています。

  • sumiko-sakamoto より:

    Micoさま、コメントありがとうございます。
    実は、2番目の絵だけ持ち帰って、絨毯などの背景に手を入れたのですよ。それもあって人物がより立体的に見えるのかもしれません。
    悩みましたが、北郷先生から黄色と青のコントラストがとても良いと言っていただいたので、中間発表会には3番目のドローイングを出すことにしました。
    今までの既成概念を崩されることも多く、学びの連続です。

コメントいただいたら必ず返信しますので、しばらく経ってからこのページを再度ご確認ください。

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