2024.9.8
《お便りNo.38》漫然としていた自分に喝
こんにちは、坂本澄子です。
台風の後、また厳しい残暑が戻ってきましたが、いかがお過ごしですか。
私は夏風邪をひいてしまいしまい、1日半寝込みました。
練乳入り小豆バーが熱を持った喉に心地よく、今日はいいよねと自分を甘やかせています。
夏の疲れが出たのかも。どうぞ皆様もお体にはくれぐれも気をつけてくださいね。
《サロン・ドートンヌの新セクション》
今日は嬉しいご報告があります。
仏最高峰の一つと言われるサロン・ドートンヌに初めて応募し、入選を果たすことができ、また、会場内で行われる新セクション『UNKNOWN WORLD 』の27作品にも選ばれました。
このセクションは同サロンでも全く新しい取り組みとのことで、アートを通して文化の多様性を詩的に讃えることを目的に、様々なバックグラウンドを持つ27名のアーティストの作品が紹介されます。
私の応募作品『再興』も中世から現代に至る日本の建造物をたくさん描いているので、企画の趣旨に合致したのではないかと思います。
《ところが難題が持ち上がり》
無邪気に喜んでいたところ、一つ大きな問題が。
入選作品は50号(116x91cm)とかなり大きく、どうやってパリに持ち込むか…です。
通常このような海外での展示会にはエージェントを通じて応募し、作品の輸送もすべてエージェントがやってくれるのですが、今回、個人で応募したので、搬入出に関する手配を全て自分でやらなくてはなりません。
会場への搬入および会期後の搬出はピンポイントの日時指定があるため、事務局から現地の専門業者を紹介してもらったのですが、何度問い合わせしても、返事がさっぱり来ないのです…汗
2回催促メールを送ってようやく10日後に「担当者が休暇中のため、戻ってから回答します」と。でも、その後もなしのつぶて…汗汗
日本企業の質の高さに慣れていると、この状況はかなり辛いです。
そしてさらに、その現地業者に日本から作品を送る輸送費も想定を大きく上回ることが判明。
郵便局がやっている比較的安価な国際スピード郵便は、取り扱いサイズを超えておりNG。FedExなどいくつか見積りを取りましたが、いずれも片道10万円超え!!!(ひーっ)
現地の搬入出代を含めると作品輸送だけで往復25-30万円になりそうな勢いです。
ちなみに、エージェント経由ですと、まとめて船便で送るため全て込みで15万円程度。
エージェントのありがたみをひしひし。ついには弱気になって、
今年は辞退しようか…来年またエージェントを通じて応募すれば良いのだし。
一瞬、そんな考えがよぎりました。
でも、何が起こるかわからない時代、次はないかも知れない。
悩んで、悩んで、悩んで、ふと
!!!!!!!!!!!
会期後日本に返送しなくてもよくなれば、復路の10万円は不要になるのでは。
もしフランスで売れれば。
一般の家庭でも絵を買うことが生活に根付いているフランスでは、サロンのような公募展でも希望があれば作品販売を行います。
しかし、私のような新人の作品が5日で売れることは、ましてはこのサイズで、よほど注目を浴びない限りないでしょう。
会期後も1ヶ月できれば数ヶ月、作品を預かって販売してくれるギャラリーを見つけられれば…。
可能性は低くても、思いつくことから片っ端に行動を開始しました。
結果はどうなるかわかりませんが、ここ数年間漫然とパリの展示会に出品してきた、自分に喝を入れるという意味でもやる価値ありですよね。
自分の中で何かが変わればと思っています。
《今月の一枚》
熱海のアトリエでお世話になっている熱海山口美術館さんで展示していただいていた『透き通る』が1ヶ月のお勤めを終えて戻ってきます。
タイトルの『透き通る』は湖水や高原のひんやりとした空気が透き通るという意味もありますが、気持ちの上でもクリアな気分になっていただければとの思いを込めています。
作品ページにも追加しましたので、よろしければ詳細情報もご覧ください。
《展示会のご案内》
◆◇Salon d’Automne (サロン・ドートンヌ)◇◆
秋のサロンという意味で今年121年目を迎える、前衛的傾向が強いと言われるフランスの公募展。
ル・サロン(官展)を運営するフランス芸術家協会、および国民美術協会(ラ・ナシオナル)の保守性に対抗して、1903年にベルギーの建築家フランツ・ジュールダン(フランス語版)を中心とするギマール、カリエール、ヴァロットン、ヴュイヤール、ボナール、ルオー、マティス、マルケらの建築家、画家、版画家によって創設された。多分野にわたる前衛芸術家・新進芸術家を積極的に紹介し、とりわけ、1905年にフォーヴィスムが誕生した展覧会として知られている。(Wikipediaより抜粋)
会期:2024.10.23(水)-27(日) 11:00-20:00
会場:シャンゼリゼ通りクレマンソー広場 パビリオン
写真は昨年開催の様子→
◆◇現代童画会選抜展 坂出展◇◆
8月に東京で開催された選抜展(冒頭画像)が10月坂出、12月神戸に巡回します。
坂出展は会場のスペースの関係で約半分の60点に再選抜されますが、今回初めてそのメンバーに選ばれました。四国での展示は初めて。お近くの皆様、よろしければぜひこの機会にお越しくださいね。
会期:2024.10.12(土)-11.3(祝) 8:30-17:15
休館日:10.15(火), 10.21(月), 10.28(月)
会場:坂出市民美術館
◆◇第50回現代童画展◇◆
11枚目の100号を鋭意製作中です。本展ならではのスケールの大きな作品をお楽しみください。
会期:2024.11.10(日)-11.16(土) 9:30-17:30
会場:東京都美術館
写真は昨年開催の様子→
今月号も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
暑さも手伝って、なんとなくぼんやりとしていたところに、嬉しさの次に難題と、いきなりジェットコースターに乗せられた感じの出来事でした。
動作も思考も緩慢になっていたところ、自分に喝を入れる良い機会になりました。
最近、同年代の友人との合言葉が「私たちまだまだいけるよね」です。
昨日よりもっといい自分になる。
これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!
今年も暑い日が続いています。 体調は回復されましたでしょうか? 50号の絵をフランスに送るのは大変ですね。 思い切って画材をもってフランスに行って、フランスの展示場でおなじ作品を描いてしまったらかなりインパクトありそうですね。 ”できるもんならあんたがやってみな #!”と言われそうですね。 坂本様の作品ならフランスの方で買っていただける方が表れても全然 おかしくないと思いますよ。
高須さま
いつもユニークな発想をありがとうございます。
それができるとめちゃめちゃ迫力ありますね!
展示会でも話題沸騰間違いなし!実際、ライブパフォーマンスをするアーティストはいますからね。
ところが、私は人に見られてると描けないタイプなんですよ〜。しかも、一回でバシッと決めるのも苦手で、何回もやり直しするので、見せ物にはなりません汗
今回のことは、結果はどうなるかは分かりませんが、なんとかせざるを得ない状況に追い込まれ、今までやってみようとも思わなかったことを兎に角やってみる、そんな感じなんです笑
坂本澄子先生
「透き通る」は緑を基調として、素敵な仕上がりですね。風景もgood.
さすが美大。
渡邉さま
お褒めいただき、嬉しいです!
私は美大出身ではないのですよ。しかも、絵を始めたのも30代半ばと遅いスタートなんです。
デッサン力や基礎知識などの点で、足りなさを感じで落ち込むことも度々ありますが、諦めたら終わりと、頑張っています。
これからも応援してくださいね。
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