
2025.4.13
思いを絵に託して
『ご一緒に』 2025年4月納品
<東京都S.T.さまからのメッセージ>
獣医師をしている長男が、勤務先の動物病院の経営を引き継ぐことになりました。
どちらかというと黙々と仕事をするタイプ。
経営者となると全体を見渡しながら、他の獣医師はもちろん総勢20名近いスタッフの皆さんに気持ちよく働いてもらわなくてはなりません。
言葉の話せない動物が相手なだけに、長時間労働になりやすい医療現場。
明るく働きやすい場所にしたいと考えている息子を、自分らしい形で応援できないかと思いました。
そこで思いついたのが絵。
病院には前院長の時から待合室に絵が飾ってあり、ここに息子の目指す病院のイメージをと思ったのです。
坂本さんは以前一緒に仕事をしたことがあり、こんな私たちの思いを絵にしてくれるのではないかと、相談を持ちかけました。
2週間後にイメージ画が送られてきて、息子にも見てもらうと、「構図も色あいもドンピシャ」
本制作に掛かってもらい、経営を引き継ぐ4月にタイミングを合わせて届けてもらいました。
待合室が明るくなったと、息子も喜んでくれています。

<坂本澄子より>
前職からのご縁から、絵を通じてまたご一緒することができて、とても嬉しいです。
昨年1月、有明のギャラリーを訪ねてくださり、お話を伺いました。
新院長を含めて5人の獣医師さんが明るく働く、キラキラとしたイメージが浮かんできました。
病気と向き合う場所だけに、飼い主さんも重い気持ちを抱えて、通院して来られます。
私もかつて愛犬を病気で亡くした時に、先生の温かい一言や、スタッフの方の笑顔で励まされたことがあり、そこで働く人の心持ちによって病院の雰囲気が随分変わることを、お話を伺いながら思い出しました。
降り注ぐ陽光の中で、獣医師さんに見立てたワンちゃん、ネコちゃんが楽しそうにしている姿を、絵の中心に据えたらどうだろう。
明るさを際立たせるために周りは暗く。
そして、楽しそうな様子に誘われて、次々と森から出てきた動物たち。
こんなふうにイメージが固まっていきました。
タイトルの『ご一緒に』はTさまがご自身でつけてくださいました。
病院で働く皆さんが心を一つにして、病院の明るい未来を作り上げていけるといいですね。