2021.4.12
もみじの幹が人の姿に
先週、アートホール銀座で開催された「現代童画会’21春季展」に新作『奏 – かなで』を出展しました。
この状況下でご案内がためらわれましたが、会場に足を運んでくださった皆様に心よりお礼申し上げます。
この絵は写真家・澤野新一朗さんの写真からインスピレーションをいただいたものです。
京都比叡山で撮影されたそうで、真っ赤に色づいた紅葉を見上げるような構図で撮影されたものでした。
澤野さんの作品は、南アフリカの大地に忽然と現れる「神々の花園」をはじめ自然への讃美に溢れ、いつも元気をいただいています。
その時は見ているうちに幹が人の姿のように思え、つい想像を膨らませてしまいました。
人里離れた森の中、聞こえてくるのは木々の葉音だけ。
暮れなずむ空を背景に、森の女王が美しい葉音の旋律を奏でる情景が想い浮かびました。
森に棲む動物たちが誘われるようにやってきて、この絵が完成しました。
早速澤野さんに見ていただくと、「2つの場面が浮かんだ」と仰いました。
ひとつは『もののけ姫』、もうひとつはお釈迦様が大悟されてから始めて説法したと言われる鹿野苑(ろくやえん)です。
どちらも私の絵にはもったいないお言葉で、嬉しくて、その後『もののけ姫』は2回観ました(笑
コロナに翻弄される日々が続き、遠出をすることもなくなってしまった今日この頃ですが、
SNSに投稿された写真にはっとさせられることがあり、まるでその場にいるように楽しませていただいています。
今回もそんな素晴らしい機会に感謝します。
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