2021.8.14
お盆ですね
こんにちは、坂本澄子です。
お盆ですね。
この夏は1年ぶりに母の様子を見に、広島に帰省する計画だったのですが、コロナの勢いはおさまる気配もなく断念。
ありがたいことに、母がお世話になっているホームではLINE面談を用意してくださっているので、月に2、3度は母の元気な顔を見れるのが救いです。
母の他にもうひとり気になっている人がいます。
奈良の橿原に住む叔母です。
90を超え、難病による不自由な身体をかかえながら、ヘルパーさんに助けてもらって自宅で一人暮らし。
昨年父が亡くなったときに久しぶりに連絡をしたことから、手紙のやりとりが始まりました。
昔はアパレル関係の仕事をしていたこともあり、カッコよくて、しゃきしゃきっとした叔母に、子供ながらに憧れていたものです。
いまもその人柄が滲み出るような筆跡を見ると、言葉のひとつひとつが真実を持って迫ってくるように感じます。
この蓮の絵は、中学生の頃、叔母の家で過ごした、日本の夏をイメージして描きました。
夕飯の後、アイスクリームを買ってもらいに歩いた道。
片側は向こうまで続く田んぼで、温まった水と稲の青くさい匂いと、月明かりの空。
カエルや虫の啼く声に重なるように、私たちの歩く足音だけが聞こえていました。
そんな夏の思い出を蓮の姿に込めました。
蓮は水揚げが弱く、切り花には向きませんが、絵のなかでなら永遠に咲き続けることができますものね。
叔母は視力が落ちて、暑中見舞いに印刷した私の絵を自分の目で見ることができず、とても残念がっています。
ご親切なヘルパーさんが絵の説明をしてくださったそうで、そこから空想の世界を広げてもらえたら嬉しいなあと思っています。
だって、私の方も空想しながら描いているのですもの。
この作品は11月にパリ16区にあるリンダ・ファレル・ギャルリーで行われる『サロン・ド・アール・ジャポネ2021』に出展しようと思っています。