2024.4.27
「パリ国際サロン」で優秀賞
こんにちは、坂本澄子です。
先月、パリのバスティーユ・デザイン・センターで開催された「第37回パリ国際サロン」に出品した『心の小宇宙』が優秀賞(アンサンブル部門)をいただきました。
この作品は題名の通り、私の内なる思い、しかも、かなり深い部分から湧き上がってきたもので、他の人から理解してもらえるものか、しかも、言葉の通じないパリで…と、少し不安を感じながらの出品でした。
それだけにとても嬉しいです。
この「パリ国際サロン」は日本人作家をパリの芸術界に挑戦させようと、37年前に日本のアートプロモーター・馬郡俊文氏が始めたもので、今年も294点もの作品(絵画、立体、書など)が日本から出品されました。
そして、もう一つ感激したのが、フランスの美術誌「ユニベール・デザール」編集長ジョセ・ティボ氏の寸評です。
これを専門用語に精通した事務局の方が翻訳してくださり、改めて理解が深まりました。
以下がその日本語訳です。
「坂本澄子の精神世界に入り込むのは楽しい。彼女は自身の表現の中で、美的な形式主義への嗜好と、自分の心の奥底にある何かを伝えたいという願望を調和させるレベルに達しており、文化的準拠や個人的基盤についての正当化を必要としない。彼女の作品のひとつひとつは、まさに精神的な美のかけらであり、人間の精神がもたらすことのできる、最も気高く最も正直な表現が直接あらわされたような構図である。彼女のようなクリエーターがこのようなイメージを我々に届けてくれることを喜ぼう。それは黄金の盆に盛られた神への贈り物のように解き放たれた、彼女の内なる人生が具現化した像であり、我々の生をも表している」
心の奥底にある何か…
潜在意識下から時折顔を出す、像をなさない漠然としたイメージ。
私の絵はいつもそんなところから始まります。
掴みどころのないものを形にしようと、いつももがいてきました。
言葉では伝わらず、絵にしても理解してもらえるだろうかと… 絶えず、迷いや不安がつきまといます。
ところが今回、作品説明は全くしていないのに、ティボさんが的確な言葉で私の思いを表現されたことに正直驚きました。
潜在意識下から時折顔を出す、像をなさない漠然としたイメージ。
それが美しい形ある何かと結びついた瞬間、ようやく筆を持つ手が動き出します。
『心の小宇宙』ではその形ある何かは、蓮であり、そして、静かな表情をした女性(あるいは天女に近づいた存在)でした。
ぼんやりと見えてきたこの道。
信じて歩いて行きたいと思いました。