2021.6.19
市松模様のその後
こんにちは、坂本澄子です。
少し前に、銀座で見かけたお店の床の市松模様が気になって、思わずシャッターを切り、絵のネタフォルダーに入れました。
FBの写真をご覧になった方は、「ああ、あれね」と思い出していただけるかもしれません。
エスキース(構成を検討するための下絵)を描いているところですが、描き直しの繰り返し。
そのうち画用紙がヨレヨレになってきたので、CGでのシミュレーションに切り替えました。
その後、また一から描き始めて、そろそろ第3ラウンドに入ります。
この過程を「のたうちまわり」と呼んでいますが、結構つらい…です(笑
食事のときもぼーっとしています。
市松模様を空想世界の「場」ととらえました。
そこに何を配置するかで、物語を作っていきたいと考えていますが、脳内をスキャニングするうちに、連想ゲームみたいになってきました。
白と黒の市松模様に似合う色として、真っ先に浮かんだのが赤。
赤と言えば「薔薇」→ 薔薇と言えば「クレオパトラ」→ クレオパトラと言えば「古代エジプト」
みたいな感じです。
宇宙は膨張し続けており、果てはどんどん遠ざかっているという話を何かで読みましたが、脳内世界も同じかもと思うことがあります。
そんな連想のニューラルネットワークを図にしてみました。
こうしてみると、自分の好きな物がなんとなく見えてきますね。
つらい中でも、ほんの少しワクワクしてきました。
最初に下絵をバッチリ決めてから、本画制作に入るほうがいいという方もいますが、私はある程度イメージが固まったら、絵と対話しながら、描いていくのが好きです。
一歩離れてじっと見ていると感じるものがあったり、たまたま描いた一本の線が何かに見えたりといった偶然性も大切にしています。
例えば、『Prismatic Hours』はこの写真が始まりでした。
窓の下に逆さまに映った空が面白くて描き始めたのですが、そのまま絵にしてもさっぱり決まらず、恒例の「のたうちまわり」が始まりました。
この市松模様もどんな絵になるかまだわかりませんが、連想ネットワークが自ら動き出し、そのうち形になってくれるのではと期待しています。
作品詳細ページには、それぞれの制作エピソードを紹介していますので、トップページの作品一覧にお好きな絵がありましたら、「詳細を見る」をクリックして、読んでみていただけると嬉しいです。
それでは、また。