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坂本澄子の絵画作品サイト

重なり合う風景

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《お便りNo.21》 パリのお土産話

こんにちは、坂本澄子です。

三寒四温とは今のこの季節を言い得た言葉。春に向かって季節が動いているのを感じます。

2月は二人展、パリ行きとイベントが続き、短い2月があっという間に終わった気がします。

10ヶ月ぶりに訪れたパリはコロナはどこ吹く風、どこに行っても人と活気で溢れていました。

《ル・サロンはやはりすごかった》

これまでコロナで渡航が叶わず、3回目の入選でようやく会場に行くことができました。

毎年2月に開催される「Art Capital」はル・サロンと他に3つの美術団体による一大アートイベント。

東京ビッグサイト一個分のスペースに1000点を超える絵画・立体などの作品が大集結していました。

十字の形をしたグラン・パレ・エフェメール

細かくブースが区切られ、さながら巨大迷路のようです。

45秒間、会場の雰囲気をお楽しみください。

開催前日にはプレスや関係者を招待してベルニサージュが開かれ、ル・サロン絵画部代表のアランバザールさんから講評をいただきました。

通訳付きの4分間の動画です。よろしければ観てください。

最初はちょっと怖そうな方?と緊張していたのですが、実はとても優しい方。思い切って、悩んでいることを相談してみました。

その時々で描きたいものがたくさんあって、作風が定まらないのが私の悩み。「これからはテーマを絞り込んで、深掘りする制作をした方が良いのでしょうか」とお聞きしました。

バザールさんの答えは、「たくさん描いているうちに、自然に自分のテーマや表現方法が定まっていくから大丈夫」というものでした。

また、異なる描き方をしても、どこかしら「その人らしさ」が感じられるもの。その人の中に存在するものしか出てこないからとも言われ、とても励まされました。

翌日は半日かけて、4展覧会の全作品をじっくり見て、日本人作家とは異なる視点、色使いなど、シャワーのように刺激を浴びました。

好きな作品がたくさんありましたが、3点ご紹介します。

水の中は私も気になるテーマ
抽象画の苦手意識が払拭された作品
雑多な中の不思議な統一感

パリにはこういった公募展のほかに、作品を販売するギャラリーが軒を連ねる通りが何ケ所もあり、街全体が有するアートの数たるや。

好きな作品を自らの目で選んで、ごく自然に日々の暮らしに取り入れる。

そんな日が早く日本にも訪れるといいなあと思いました。

《現代アートの新名所》

今回楽しみにしていたのが、ブルス・ド・コメルス。

旧商品取引所の建物の内部を改造して、コンテンポラリーアートを発信する美術館として一昨年オープン。フランスきっての大富豪フランソワ・ピノー氏のコレクションが展示されています。

建築家の安藤忠雄さんが設計を担当されて日本でも話題になり、安藤ファンの私としては「必見リスト」の筆頭にあげていました。

円筒形の建物の中に、もうひと周り小さなコンクリート素材の円筒を入れた構造。

円筒の内側は5階まで吹き抜けの巨大展示ホール。大型の立体作品が展示されています。

上部の絵画は元々あったもの。下のコンクリートが安藤建築

円筒の外側は各階ごとに展示室が配置されています。

映像作品も多く、横たわれる椅子にゆったりと体を預けて鑑賞できるスペースもあります。

私が一番好きだったのはこちらの作品。

背広をかけたトルソーのような立体作品、背中の部分がぽっかりと開いています。

「ん?」と中を覗くと、清々しい空気が顔を覆い、岩を伝う水の音に包まれます。

まるで、森林浴しているみたいな気分。

最上階のレストラン「アール・オ・グラン」、ここはおすすめです。

鱈とビーツの前菜

こってりの食事が続き、食傷気味だった私ですが、白と真紅の薔薇が咲いたような、この繊細な一皿はスーッと入ってきました。

《今後の展示会予定》

こんなふうにいろんなものを吸収して、帰国後、また次の作品に取り掛かりました。

これらを発表する展示会が予定されていますので、ご案内します。

「現代童画展受賞者展」

昨年の現代童画展の受賞者による新作を展示、私も20号を出品します。

 会期:2023年5月1日(月)〜7日(日)

 会場:銀座アートホール

「夢のイストワール展小品展」

昨年3月大好評だった「夢のイストワール展」の出展作家による小品展。二人展でご一緒した川部律子さんも出品されます。

 会期:2023年6月26日(月)〜7月1日(土)

 会場:ミーツギャラリー(銀座)

今月も最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。

コメントお待ちしています!

  • 土肥  より:

    インスタ で二人並んでいる写真の表情や 今日の案内メールの 文章で すごい成果があったぞ!というのはありありとわかりましたよ(笑)。 評価される方はさすがですね。 私もモヤモヤしていた影を 表現してもらって すっきりした気分です。
    月並みの言葉ですが 世界は広いのですね。
    安藤さんの建築 ご紹介ありがとうございます。是非行きたいです。

  • sumiko-sakamoto より:

    土肥さん、いえいえ、まだ成果ではないですよ。ただ、私の絵を見て感じられたことを直接お聞きできたり、悩んでいたことについて質問ができたのはとても良い経験になりました。とても励まされましたよ。

  • 上原けさみ より:

    盛りだくさんのお土産話、ありがとうございます。とても充実しておられたのが感じとれました。羨ましい〜と言っていいですか!
    書店で表紙にすごく惹かれ、原田マヤさんの本を3冊買って、今3冊めを読み始めました。舞台が蓼科、パリ(サン ラザール駅)、大原美術館と偶然にも何処も行った事がある場所で、情景が思い出されてあっという間に2冊読破。
    ほとんど読んでいらっしゃると思うので、タイトルは省略します!
    新作を楽しみにしています(^^)

    • sumiko-sakamoto より:

      上原さん、原田マハさんの小説は夢中になって読んでしまいますよね〜。私はたくさん読みすぎて、どれがどれだかわからなくなってきました(汗) また読み返してみようかなと思っているうちに、次が出るんですよね(笑)
      蓼科だけわかりませんでした。題名教えてくださいませ。

  • 上原けさみ より:

    『生きるぼくら』です。東山魁夷画伯の有名な絵に一瞬で惹かれました。アートの内容ではないです。
    いじめから、ひきこもりとなった青年が、蓼科の優しい祖母を訪ね周囲の温かい人々に囲まれながら、米作りに挑戦して人生が180度変わり明るくなっていった…というお話です。
    稲作の描写が、小さい時に祖母の田んぼに連れて行かれ見ていた作業や景色を思い出させてくれました。昔の田舎の人々の温もりを感じほっとな気持ちになり、いつしか主人公を応援していました。(笑)
    (あっ、前の新作というのは本の方でなく絵の方です。)(汗)

    • sumiko-sakamoto より:

      上原さん、教えてくださり、ありがとうございます。『生きるぼくら』は知りませんでした。
      原田マハさんは、アート小説だけでなく、さまざまな題材を取り上げ、エッセイなども出版されていますよね。
      今回のメルマガで、絵を描く上での悩み(描きたいものや描き方が一つに定まらない)をアラン・バザールさんに相談したことを書きましたが、「違う題材を描いても、作風が変わっても、描き手の中から出てくるものは、やはりその人らしさがある」と答えてくださったことと、相通じるものがあると思いました。

  • 上原 より:

    坂本さんの脳内宇宙にあるものを、自信を持って描きたいように描いていけばいいんだよ、とおっしゃってるんですね、きっと。
    見る人を温かい気持ちにさせてくれる絵、元気にしてくれる絵、ほっとさせてくれる絵、チャレンジする気持ちにさせてくれる絵、部屋をステキにしてくれる絵、感動を与えてくれる絵…私が思っている坂本さんらしさです。
    時に悩みながら描きたいものを描いて、行きたい所へ行って、次のステージで益々才能を開花させてください(^o^)

    • sumiko-sakamoto より:

      上原さん、温かい励ましのお言葉、本当に嬉しいです。
      ありがとうございます!

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